ヴィンテージオーディオやレコーディング機器、さらにはエフェクターやアンプのノイズに悩まされている方。
その原因の多くは「接点不良」。
そして、これを解決する最も効果的な手段の一つが接点洗浄剤(Contact Cleaner)です。
本記事では、接点洗浄剤の基本的な役割から、タイプ別の特徴、用途に合った製品選びまで徹底解説します。

この記事を担当:こうたろう
1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
ドイツで「ピアノとコントラバスのためのソナタ」をリリースし、ステファン・デザイアーからマルチマイクREC技術を学び帰国
金田式DC録音のスタジオにて音響学を学ぶ
独立後芸術工房Pinocoaを結成しアルゼンチンタンゴ音楽を専門にプロデュース
その後写真・映像スタジオで音響担当を経験し、写真を学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門の音楽ブランド[Curanz Sounds]を立ち上げ、ピアニスト, 音響エンジニア, マルチメディアクリエーターとして活動中
当サイトでは音響エンジニアとしての経験、写真スタジオで学んだ経験を活かし、制作機材の解説や紹介をしています。
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接点洗浄剤とは?
接点洗浄剤(Contact Cleaner)は、電子機器内の金属接点(スイッチ、ジャック、端子、ポテンショメーター等)に付着した酸化皮膜、汚れ、ヤニ、埃などを除去し、導通性を回復させるための専用スプレーです。
主な役割:
- 接点の導通回復(ガリ音・断線防止)
- 金属表面の酸化防止
- 動作不良やノイズの改善
- 長期使用機器のメンテナンス
タイプ別:接点洗浄剤の違い
タイプ | 特徴 | 適用機器例 |
---|---|---|
アルコール系 | 速乾性。樹脂への影響が少ないが脱脂力は弱い | スイッチ類全般、基板 |
フッ素系 | 非導電性。残留物が少なく高精度作業に最適 | 音響機器、測定機器 |
潤滑剤入りタイプ | 洗浄と同時に潤滑・保護膜を形成。可動部に最適 | ボリューム、フェーダー |
洗浄専用タイプ(潤滑なし) | 強力な脱脂。洗浄後は潤滑剤を別途使用する必要あり | リレー端子など |
おすすめブランドと製品
製品名 | 特徴 | 推奨用途 |
CAIG DeoxIT D5 | 世界標準。潤滑・洗浄・保護のバランスが良い | ヴィンテージオーディオ全般 |
KURE 接点復活スプレー(日本) | 国内流通が容易。音響機器にも安全 | スイッチ、ジャック、フェーダー |
CRC QD Electronic Cleaner | 樹脂に優しく、速乾性。潤滑なし | 基板、PC内部の清掃 |
Contact Gold 100(Caig) | 金メッキ端子専用。導電性保護膜あり | RCA端子、DIN端子 |
正しい使い方と注意点
使用手順:
- 電源を必ず切る(感電・ショート防止)
- 接点に直接スプレーし、数回スイッチや端子を動かす
- 乾燥時間を5分以上確保
- 必要に応じて別途潤滑剤を使用
注意点:
- シリコン系スプレーは音響機器に使用しないこと(膜が音質を劣化させる)
- ゴムやプラスチックを侵す可能性がある製品もあるため、仕様を要確認
- 過剰な使用は逆効果。残留物がホコリを引き寄せることがある
どれを選べばいい?シーン別推奨
- 古いオーディオ機器を総合的にメンテナンスしたい場合:CAIG DeoxIT D5
- 頻繁に分解する機器や基板作業に:CRC QD Cleaner
- 日本国内で手軽に入手・コスパ重視なら:KURE接点復活スプレー
- 金メッキ端子・高級ケーブル用:Contact Gold 100
おわりに
接点洗浄剤は単なるメンテナンス用品ではなく、音質や信頼性を守るための必須アイテムです。
特にヴィンテージオーディオでは、適切な洗浄が寿命と音質に大きく影響します。
このガイドを参考に、あなたの大切な機器をベストな状態で長く使ってください。