今さら聞けない!「2線」と「3線」の違いをやさしく解説
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🎧 1. はじめに:なぜ「線の数」が大事なの?
マイクやオーディオケーブルを見て「なんで線が2本のときと3本のときがあるんだろう?」と思ったこと、ありませんか?
実はこの「線の数」、音のきれいさやノイズの少なさに直結する、とても大事な要素なんです。
しかも構造を理解すると、どんなマイクがどんな環境に向いているかが一目でわかるようになります。
🔍 2. マイクの中はどうなっているの?
マイクの中には「カプセル」と呼ばれる、小さなセンサーが入っています。
空気の振動(音)を電気信号に変える部品です。
でも、このカプセルはとても弱い電気しか出せません。
だから「少しの電気(電源)」を与えてあげる必要があります。
つまりマイクには、
- 電気を送る線(電源)
- 音の信号を送る線(信号)
- 電気を戻す線(グラウンド)
が必要になるんです。
🧵 3. 「2線式マイク」とは?
2線式(にせんしき)は、電源と信号を1本の線で共有する方式です。
つまり、「1本の線が2つの役割をしている」んです。
🔌 構成
- 1本目:電源+信号(両方通す)
- 2本目:グラウンド(戻る道)
⚙️ イメージ図
[電源+信号]───┐
│
[マイク]
│
[グラウンド]─────┘
💡 特徴
- ケーブルが少なくてシンプル
- コストが安い
- でも、ノイズに弱い
- 長いケーブルを引くとハム音が出やすい
🎤 代表例:スマホマイク、コンデンサ・小型のラベリアマイク
⚡ 4. 「3線式マイク」とは?
3線式(さんせんしき)は、電源と信号を別々の線で伝える方式です。
🔌 構成
- 1本目:電源(+V)
- 2本目:信号(音の波)
- 3本目:グラウンド(電気の戻り道)
⚙️ イメージ図
[電源]───────┐
│
[信号]───[マイク]───→ 音の出力
│
[グラウンド]──────┘
💡 特徴
- 電源と信号を分けるのでノイズに強い
- 長いケーブルでも音がクリア
- 仕組みが少し複雑で、部品も多くなる
🎤 代表例:プロ用マイクロフォン、XLRバランス出力マイク
📊 5. 図で見る:2線と3線の信号の流れ
| 種類 | 線の本数 | 信号と電源の関係 | ノイズ耐性 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| 2線式 | 2本 | 電源と信号を共有 | 弱い | スマホ・簡易マイク |
| 3線式 | 3本 | 電源と信号を分離 | 強い | プロ用機材・XLRマイク |
🎨 イメージ図(理解重視)
▼ 2線式(電源と信号が同じ道)
┌───────┐
電源→│ │←信号
└───────┘
▼ 3線式(別々の道)
┌───────┐
電源→│ │←信号
└───────┘
↑
グラウンド(電気の帰り道)
🔊 6. 音の違いとノイズの違い
- 2線式は、ケーブルを長くすると「ジー」「ブーン」というノイズが入りやすい。
- 3線式は、ノイズを「お互いに打ち消し合う(バランス伝送)」ため、長距離でもクリーンな音を保ちます。
🎧 たとえ話
2線式は「1本の道路に車と人が混ざって走る」ようなもの。
3線式は「車道と歩道が分かれていて安全」なイメージです。
🏭 7. プロの現場ではなぜ3線が使われるの?
プロの録音現場では「長いケーブル(10m以上)」を使うのが普通です。
そのため、ノイズに強い「3線(=バランス伝送)」が必須です。
また、ファンタム電源(48V)でマイクに電気を送るときも3線構造が必要になります。
3線はプロ用の「安心設計」なんですね。
🎓 8. 音の世界をもっと深く学ぶために
今回の「2線と3線」は、オーディオ回路の基礎中の基礎です。
でもここからさらに理解を深めると、次のようなテーマにもつながります:
- バランス伝送とアンバランス伝送の違い
- ファンタム電源(48V)の仕組み
- マイクのインピーダンスと出力レベル
- ノイズ対策とシールドケーブルの構造
ぜひオーディオアカデミーをフォローして、音の世界を探求しましょう!