金田式DC録音ジャズアルバム

アルバム名:PRESENT
Tone Momentumの1stアルバムは、サクソフォニスト津上研太とピアニスト小林洋子による深い音楽的対話の結晶です。
互いのオリジナル曲を5曲ずつ収録し、アルバム全体で一つの物語を語ります。
DUOという編成ながらも、構成は自在かつスリリングで、抑制と躍動が交錯するダイナミズムに満ちた作品です。
録音は金田式DSD DC方式を用い、音の密度と空間性を極限まで引き出すエンジニア五島昭彦の手腕が光ります。
ジャケット写真は竹下智也による撮り下ろしで、視覚面からも作品世界を深く補完。
ジャンルを超えた表現力を求めるリスナーに捧げたい、現代ジャズの静かなる挑戦です。
アルバム名:秋音
ピアニスト高田ひろ子が率いるこのトリオは、2013年の初共演から約10年を経てようやく結実したライブ録音アルバムです。
高田が書き下ろした6曲は、四季や人生の機微を織り交ぜた音詩のように響き、ベースの小美濃悠太、ドラムの岩瀬立飛との対話的な即興が、曲ごとに異なる風景を描き出します。
各曲には高田自身の生活や感情が深く刻まれており、「秋音」や「ペルセウス流星群」などは、その背景を知ることでより一層味わいが深まります。
即興の中に宿る一瞬の真実を捉えた、まさに「今、この瞬間の音楽」が詰まった一枚です。
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アルバム名:Crystallize
ピアニスト高田ひろ子が、長年の活動を経て初めて世に送り出したソロピアノアルバム『Crystallize』は、まさに彼女の音楽観が結晶化された一枚となっています。
ジャズスタンダードから自作曲までを含む全9曲は、横浜・長浜ホールの澄んだ響きの中で収録され、演奏者と空間、そして聴き手の心が静かに交差します。
自身が「音が音を呼ぶ」と語るように、自然体の即興が聴く者の感情に寄り添い、深く静かな余韻を残します。
心に沁みる「もうすぐ海」や、ラストを飾る「My Love」まで、一音一音に魂が持ち、命を宿し、何度も再生したくなる珠玉の作品集に仕上がっています。
流してもよし、向き合っても、常に”いまのあなた”に寄り添う、そんな生きた音楽がここにあります。
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アルバム名:コンフェッシン
関西ジャズ界の実力派シンガー、臼井優子によるライブミニアルバム『I’m confessin’』は、まるで目の前で語りかけられるような親密な空気に満ちた作品です。
大阪の名門ライブハウス「JAZZ ON TOP ACT III」での臨場感をそのまま封じ込めた本作は、金田式DC録音システムにより、息づかいまでもが克明に記録されています。
「I’m confessin’」では彼女の心の奥底に触れるような“告白”があり、「Straight, no chaser」では圧巻のスキャットも披露。
畑ひろし(g)、荒玉哲郎(b)、TARO OKAMOTO(ds)との阿吽の呼吸による演奏は、ライブならではのスリルと温かさを伝えます。
ブルージーで骨太、それでいて繊細。
彼女の人間味あふれる歌唱が詰まった珠玉の一夜の記録です。
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アルバム名:プレイズ・バラード
河村英樹による待望のセカンドアルバムは、バラードのみで構成された極めて繊細で濃密なジャズ作品。
円熟のテナーサックスが木畑晴哉の詩的なピアノと対話しながら、ひとつひとつの音に深い呼吸と余白を与えています。
ストレイホーン「Isfahan」、モンク「Ruby, My Dear」など名曲が並ぶ選曲は、単なるカバーにとどまらず、二人の音楽観が丁寧に染み込んだ再創造の世界。
バラードだけで一枚を成立させるのは至難ですが、河村の歌心と音の密度がそれを可能にしました。
金田式DC録音により、まるでその場に佇むような包容感と、音と音の間にある“行間”の美しさに、聴く者は静かに深く惹き込まれていきます。
アルバム名:ベリー・シッポリィ
ピアニスト・作曲家の西島芳が率いる新ユニット「アンサンブル・シッポリィ」による第一弾アルバムは、即興性と構築美が共存する静かなる革新作。
3管+ピアノ+声という独特の編成で、前衛性を孕みながらも驚くほど耳なじみのよいメロディが交錯します。
「しっぽり」とした親密な雰囲気の中で息づくアンサンブルは、まるでひとつの生命体のように有機的。録音は加東市コスミックホールにて、金田明彦氏設計のDC録音システムを使い録音エンジニア:五島昭彦氏が微細なブレスや響きの陰影までをリアルに捉えます。
西島の描く叙情的な楽曲群に加え、武井努の「スマイル」、アリモト=ユナカによる「手紙」など、多彩な作曲陣による楽曲も収録。
ジャンルの枠を超え、しなやかに音楽を生きるアンサンブルの真価がここに刻まれています。
アルバム名:ダンシング・シッポリィ
ピアニスト西島芳が率いるアンサンブル・シッポリィの第二作『Dancing Shippolly』は、クラシックな編成を基にしながらも、電子的な彩りとユーモアを纏った”攻めの和ジャズ”。
前作『VERY SHIPPOLLY』の静謐な美から一転、今作はチル、ファンク、ラウンジ、ディスコ、そしてアニソン風日本語ヴォーカルまでを大胆に飲み込むジャンル越境型のアンサンブル作品です。
リズムセクション不在にも関わらず、全編がしなやかなダンスグルーヴに貫かれており、名曲「Manteca」や「It Don’t Mean A Thing」などのカバーも見事な再構築で収録。
自由さと構築性が絶妙に共存する本作は、日本発・新世代ジャズの一つの到達点ともいえる意欲作です。
アルバム名:Desert mirage
Morphine Desert – trio acous によるこの作品は、アコースティック・プログレッシヴジャズの限界を静かに、しかし確実に超えていく音の旅を提供してくれる作品。
北川とわによる独創的な音楽世界が、コントラバスの小美濃悠太、ドラムの岩瀬立飛と吉良創太という異なる質感をもつ二人のドラマーによって立体的に拡張され、まさに”Morphine(陶酔)”と”Desert(静謐)”が交錯する緊張感に満ちたアンサンブルが展開されます。
収録は金田式DSD DC録音(MK4)によるステレオペアワンポイント収録。
空気の振動そのものを封じ込めたかのような臨場感が、アコースティック楽器本来の質感とインタープレイの妙をリアルに再現。
さらに、後から重ねられた多層的なボイスが、音像に幻影的な次元を加え、聴き手の意識を揺さぶります。
これは、音楽というよりも思考するサウンドの彫刻という表現がふさわしい。
プログレ、ジャズ、現代音楽を超えた唯一無二の体験を私たちに与えてくれます。
アルバム名:Bright October 14th
静謐なモノトーンの世界に、鋭く差し込む青白い光──
ベーシスト小美濃悠太による初のリーダーアルバムは、北欧・中欧ジャズからの影響を昇華し、自身の内面に沈潜していくような音の彫刻作品となって結実しました。
最も信頼するピアニスト瀬田創太、繊細かつ精緻なドラミングで定評ある則武諒とのピアノトリオが織りなすのは、主従を自在に入れ替える流動的なアンサンブル。
過剰なエモーションを排しつつも、音の奥底に張りつめた緊張感が漂い、聴く者の心象に静かに波紋を広げます。
金田式DC録音によりまるでピアノトリオの只中に立ったかのような立体感と臨場感が、聴覚だけでなく空間全体を包み込んでくれます。
静寂の中に潜むエネルギーを描き出す、日本発・次世代ジャズの現在地。
深く、長く聴き続けられる1枚です。
アルバム名:絵のない絵本
湖に映る月光、凛とした空気、石畳の街を歩く静かな旅路──
本作『絵のない絵本』は、北欧コペンハーゲンの幻想的な風景を、音だけで描き出した珠玉の組曲アルバムです。
ピアニスト大森聖子による音のスケッチは、空想と詩情、そして“余白”の美学を湛え、聴く者に静かな時間の流れを思い出させてくれます。
旅の仲間は、澄んだ空気のような音色を持つサックス奏者・名雪祥代と、重厚で透明な低音を描くベーシスト・小美濃悠太。
トリオの繊細な対話が、ひとつの物語のように編まれています。
空気の微細なゆらぎすら捉える金田式DC録音システムにより、まるでその場にいるかのような臨場感で音の風景を再現します。
音で旅をする──
それは、言葉よりも深く世界と繋がる方法なのかもしれません。